top of page
山岳

平頂山事件資料館の取り組み 

平頂山事件は、1932年9月16日、中国遼寧省の撫順近郊の平頂山で起きた日本軍による住民虐殺事件です。
この事件で奇跡的に生き延びた被害者のうち、事件当時4歳から11歳の子どもであった莫徳勝さん、楊宝山さん、方素栄さんは、1996年、日本政府を相手に、  東京地方裁判所に損害賠償を求める訴えを提起しました。裁判は、残念ながら、2006年の上告棄却を最後に終わりました。結果は敗訴でしたが、判決の中で日本軍が平頂山の住民を虐殺した事実が認められたことから、この成果をもとに、裁判終了後も、事件の生存者は、日本政府に対し、平頂山事件の事実と責任を認め謝罪をし、その謝罪の証として謝罪の碑と陵苑を設置し、二度と同じ過ちを繰り返さないようにこの教訓を後世の世代に伝えてほしいという要求を実現するために活動に取り組んでいます。          

訴訟提起後16年以上にもわたり、撫順と日本の人々は、事件の生存者の要求を実現するために共同して支援活動に取り組んできました。その共同体験を通じて、撫順の人々と日本の人々との民間レベルでの相互理解・相互信頼が構築され、それがさらに深められつつあります。

この日中両国の民間レベルでの相互理解・相互信頼の深まりは、事件の生存者の要求実現のみならず、未来に向けて日中両国が平和で友好的な関係を築き上げる確かな礎になると信じています。

私たちは、平頂山事件の事実と被害者の痛切な体験とともに、事件の生存者の要求実現に向けてこれまで築き上げてきた日中両国の民間レベルでの営みの軌跡を多くの人々に知ってもらうことが、これからの日本の社会のあり方を考えるうえで一助になるのではないかとの思いからこの資料館を設立することとしました。

この資料館を訪れた方々が、平頂山事件と被害者の要求を実現するための取り組みに触れることで、何か一つでもこれからの糧になるものが得られることを期待しています。

未来に向けて

関連書籍

bottom of page