2026/02/01
国家無答責の法理とは、国が国民に対して一方的に強制力を行使した際に、誰かに損害が生じたとしても国は賠償責任を負わないという考え方をいう。たとえば、警察官が誰かを捕まえようとした際に相手に怪我を負わせたとしても、この法理によれば、国は常に賠償責任を負わなくてもよいことになる。日本国憲法17条は、国の賠償責任を認めている。したがって、現在では国家無答責の法理は否定されている。しかし、戦前の日本では、一般的に国家無答責の法理が妥当しているといわれていた。 平頂山事件は、日本軍が無辜の住民を虐殺したという残虐・非人道的な事件である。そこで、そのような場合にまで国家無答責の法理が妥当するのかが争点となった。残念ながら、平頂山事件の裁判では、国家無答責の法理を克服することはできなかった。しかし、中国人強制連行に関する裁判などでは、残虐・非人道的な行為による場合に国家無答責の法理を適用することは「正義公平の理念」に照らして許されないという判決が出されている。このように戦後補償裁判を通じて、この法理が残虐・非人道的な行為により損害が生じた場合についてまで適応されることは「正義公平の理念」に反したものであることが明らかにされた。
2026/02/01
中華人民共和国成立翌年の1950年、ソ連と中国の協定により、シベリア捕虜だった元日本軍将兵、「満洲国」官僚から軍隊に入ったばかりの初年兵まで、969人が撫順戦犯管理所に移管された(太原戦犯管理所では140人の戦犯が収容された)...